終身保険

保険のプロに聞く(1)「相続税が増税になりました、保険で出来る対策はありますか?」

LINEで送る
Pocket

相続税イメージ

はじめに

平成27年1月1日以降、相続税が改正され、基礎控除額が引き下げられたため、今までより多くの方が相続税を負担するようになりました。

今回は、保険のプロである野武幸雄さんに、相続税が増税になりましたが、保険でできる対策があるかどうか教えていただきました。

相続税の増税に対して、「保険でできる対策を3つ考えてみました」

まずは、相続税の増税となるポイントを説明します。平成27年から、相続財産のうち、税金がかからずに控除される額(相続税の基礎控除額)が減額されることになります。

現在は、『5,000万円+1,000万円×相続人の数』ですが、これが平成27年からは『3,000万円+600万円×相続人の数』に変更になります。これによって、これまでは課税対象外だった人も、課税対象になる可能性があります。

相続税増税に備えて、保険でできる対策として3つを考えてみました。

① 一時払い終身保険を活用する

相続する資産を減らせば、当然相続税の額は減ります。「一時払い終身保険」に加入すれば、加入時に保険料を全額支払うことになりますので、その分相続する資産は減り、相続税の額も減ります。

具体的に、いくらの「一時払い終身保険」に入るべきかを考えましょう。生命保険には「死亡保険金の相続税非課税限度額」という非課税枠があります。被相続人(=被保険者=契約者)が死亡したことによって相続人が取得する生命保険金は、「500万円×法定相続人の数」の金額まで非課税となります。従って、例えば、法定相続人が3人の場合、1500万円の「一時払い終身保険」に加入することにより、1500万円分の節税効果があることになります。

②分割払いの終身保険の活用

一時払い終身保険とは保険料の支払い方が違うだけで、保険内容は基本的には同じです。月に一度又は年に一度の割合で保険料を支払っていきます。保険料払込期間中でも、被保険者に万一のことが合った場合には死亡・高度障害保険金が支払われます。

相続税対策とする場合、契約者と被保険者は被相続人、保険金受取人は子供にします。保険金受取人を配偶者にしない理由は、配偶者には「相続税の税額軽減」制度があり、相続財産が法定相続分以内であれば相続税が課税されず、もし法定相続分を超えても1億6000万円までは相続税がかからないからです。

③生前贈与を利用した、分割払いの終身保険の活用

上記②と同じ保険内容ですが、この場合は、被保険者は被相続人、契約者と保険金受取人を子供にします。契約者(子供)が保険料を支払うのですが、その保険料の額を被相続人(親)から贈与してもらいます。生前贈与は、毎年110万円まで非課税となります。

非課税で生前贈与を行う注意点としては、贈与する度に贈与契約を作ることと、贈与する時期を毎年ずらすことです。

生前贈与を利用した終身保険の場合は、子供が受け取る死亡保険は、子供自身が契約者であり保険料を子供が支払っているため、相続税の対象とはならず、子供の一時所得の扱いになります。一時所得は、『受け取った死亡保険金-支払った保険料の総額-50万円×1/2』で計算されます。例えば死亡保険が1000万円で、今まで支払った保険金額が600万円だった場合、『(1000万円-600万円-50万円) × 1/2=175万円』なので、175万円が一時所得として所得税の対象となるだけですので、相続税の節税になります。

おわりに

相続税増税に備えて、保険でできる対策を簡単にご紹介しましたが、実際にはどのような節税対策が出来るかは、相続する額、法定相続人の人数によっても異なります。

また、相続するのは現金がメインか、土地・建物がメインなのかによっても違ってきます。早めに、税理士などの専門家に相談して対策を立てることが大切ですが、相談する際に一つご注意ください。

相談にいらっしゃる方の中には、ご自分の資産を実際より少なく報告する方がいらっしゃいます。相続する金額によって相続税の税率も異なってしまうので、実際に相続税を払う時に、考えていたより相続税額が増える場合があります。

相談する際には、ぜひ実際の資産額で計算するようにしましょう。

LINEで送る
Pocket

著者 / Author

野武 ノタケ  幸雄 ユキオ   ライフマイスター株式会社 新宿支店

東京都出身。電力関連会社に15年間勤務後、保険業界に転職。保険はあくまでも補てんするものというスタンスを貫き、お客さまの立場に立った提案で、個人顧客の数は日本有数を誇る。自分の入っている保険の内容を知らない人を一人でも減らすという「世直し」を自らのライフワークとして、生涯続けていきたいと思っている。

 

⇒ 野武さんのインタビュー記事・野武さんへのご相談はこちらから

⇒その保険は本当に必要ですか?