基礎知識

どれ位の生命保険に入ればいいのか分かりません?

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はじめに

少し古い映画ですが、ベトナム戦争を扱ったドキュメンタリー映画の傑作「ハーツ・アンド・マインズ」の中で“命の価値”について取り沙汰しているシーンがあります。人命の価値に大小などあり得ないはずなのに、戦争で歪んだ人間は然もありなんと語ってしまう、何ともショッキングな一幕です。

保険金額で測る“お父さんの価値”とは

ところで、戦争でもないのに“命の価値”であるかのように誤解されがちなのが生命保険の保険金額。金額が少ないと「俺の命はそんなに安っぽいのか!」と傷付き、逆に多いと「俺を殺すつもりか!」と絡んでしまう・・・。
笑い話のようですが、一昔前は保険と言えば多くの“お父さん”達がこのような拒絶反応を示したものです。時代が変わり、家庭第一の優しい男性が増えた今でも、私がご夫婦に保険のコンサルティングをしていると、時々微妙な雰囲気を感じることがあります。
このように“命の価値”云々といった感情論に陥ってしまうのは、主観で何となく保険金額を決めようとするからではないでしょうか。そこで今回は、自分に合った保険金額を決める合理的、かつ非常に簡単な考え方をご紹介します。
保険加入の大きな目的は、万一の時の『経済的リスク』をカバーすることにあります。従って扶養者のいない独身の方で、自分の死後に経済的リスクを被る人がいないならば、死亡保障主体のいわゆる“生命保険”は不要です。

まず、なんのための保険金なのか考えましょう

(1)緊急予備資金

もしもの時には葬儀費用をはじめ、何かとまとまったお金が出ていくものです。葬儀費用の相場は200~300万円ともいわれており、これに当面の生活費3ヵ月分を加えた金額を、預貯金か保険で確保しておく必要があります。
逆にいえば「万一の時、残される家族がいる場合にこそ生命保険は必要」というのが大原則となるわけですが、ではあなたに万一のことがあったとして、必要となる資金にはどの様なものがあるのでしょうか。

(2)生活資金

残された家族の生活費は現在の家計から考えます。ちなみにファイナンシャルプランニングの教科書には、夫が亡くなった後の生活費は現状の70%とされています。もちろん各世帯の状況で変わってきますが、目安にはなると思います。

(3)教育資金

幼稚園から大学まで、国公立か私立かの進学次第で金額は大きく異なりますが、強いていえば子ども1人につき1000万円が目安。オール私立ならこの約2倍になります。

十分な保障には1億円の保険が必要?

では、以上3つの資金について具体的なケースで考えてみましょう。分かり易くするために、夫婦共に30歳で子どもは2人、月々の生活費は30万円とします。

(1)緊急予備資金については、葬儀費用を200万円とし、これに当面の生活費3ヵ月分(30万円×70%×3ヵ月=63万円)を加えると263万円、ここはおおまかに300万円としましょう。続いて(3)教育資金は1000万円×2人=2000万円となります。
このように(1)緊急予備資金と(3)教育資金の確保には合計2300万円の保険金額があればOKと非常にシンプルなのですが、一方で(2)生活資金の確保をするための必要保障額となると、従来は非常に煩雑で不合理な考え方が一般的でした。
例えば、月々の必要生活費30万円×70%=21万円を、妻が公的年金を受け取れるようになるまで保障する場合、21万円×12ヵ月×(60歳※-30歳)=7560万円となり、(1)(3)との合算では実に1億円近い保険金額が必要な計算になってしまいます。
※妻の公的年金支給開始を60歳とした場合
もう少し細かいことをいえば、子どもが独立した後の生活費は下がりますし、子どもが少し大きくなると妻が働きに出るケースもあるでしょう。従って、本来の必要保障額はこれより割り引いて考えるべきなのですが、それでもこのロジックで一般のサラリーマンに対して1億円近い保険金額が設定されることが少なくありませんでした。
これは保険業界が保険金額で営業職員の成績を評価していた悪しき慣習も遠からず影響していたといえるでしょう。それにしても、こんな非日常的な保険金額で保険に加入することになれば、一昔前のお父さんでなくとも妙な気分になるのも無理はありませんね。

生活資金の確保には収入保障保険も有効

しかし昨今、「収入保障保険」などと呼ばれる新しい商品が誕生したことでこのような不合理は解消し、保険金額の設定も劇的に簡単になりました。保険金額は『月々何万円』というように1万円単位で設定できるので、生活費をそのまま当てはめることができるのです。
上述のケースでこの保険に保険期間60歳・保険金額21万円で加入した場合、夫が40歳時で亡くなれば、妻は夫が生存していたら60歳になる時まで、つまり今後20年にわたり、毎月21万円相当の年金252万円を受け取れることになります。
また、何千万円もの保険金を受け取ったばかりに、その使い方を誤って生活が派手になったり、悪い人間に騙されたりして、逆に生活に破たんを来してしまったという話は意外と多く、そんな不安も払しょくできるのが収入保障保険のもう一つのメリットといえます。
このように、(1)緊急予備資金・(2)生活資金・(3)教育資金といった必要資金毎に金額の目安が計算できたら、後は目的に応じた保険種類と保険期間を選ぶことで、合理的な保険加入が実現します。
ただし、『目的に応じた保険種類と保険期間』を膨大な選択肢の中から自分で選ぶのは容易ではありません。必要資金が明確にできたあなたなら、今さら“命の価値”云々で感情論に流されることもないはず。ここまで来れば、後はライフプランニングのプロに任せるのが合理的です。

 

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最新保険ランキング編集部

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