基礎知識

もし保険会社が破たんしたら保険金はどうなる?

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hatan

契約者保護制度と保険会社の健全性

1.保険金はどこまで補償されるか

もし、保険契約をしている生命保険会社が経営破綻してしまったら、契約している保険や支払った保険料はどうなるのでしょうか。
生命保険会社が経営破綻してしまった場合、保険金・年金・給付金の支払いが一定期間凍結されてしまうことがあります。しかし、契約していた保険が消えてしまうわけではありません。「生命保険契約者保護機構」が契約を継続するための資金援助を行ない、契約者を保護するからです。この生命保険契約者保護機構は、すべての生命保険会社が加盟を義務付けられています。

破綻した生命保険会社は、保有する保険契約を他に引き受けてもらい、契約を継続させますが、その仕組みには、2つのケースがあります。

①破綻した保険会社を救済する別の保険会社が現れた場合。

このケースでは、破綻した保険会社の保険契約は救済保険会社に「移転」され、合併・株式取得などによって破綻後も継続することができます。

②救済保険会社が現れなかった場合。

このケースでは、生命保険契約者保護機構が設立する承継保険会社、もしくは保護機構みずからが保険契約を引き受け、破綻後も継続します。

●補償されるのは責任準備金の90%

では、保険金や支払った保険料はどうなるのでしょうか。
生命保険会社は、将来の保険金の支払いに備え、保険料の一部を積み立てています。この積立金を「責任準備金」といいます。保険会社が破綻した場合、契約自体は継続できますが、この責任準備金が削減されてしまうことがあります。
生命保険契約者保護機構の資金援助で補償されるのは、原則として破綻時点の責任準備金の90%(高予定利率契約の補償率はさらに低い)までです。残りの10%は、更生計画などの状況を見て決定され、場合によっては保険契約者の負担になることもあります。
補償されるのはあくまで責任準備金の90%です。保険金の90%ではないので、誤解しないようにしましょう。

●予定利率の変更

責任準備金の削減のほか、「予定利率」の引き下げなど、契約条件が変更される場合もあります。予定利率とは、生命保険会社が資産運用による一定の収益を見込んで、その分だけ保険料を割り引いた割引率のことです。
この予定利率が引き下げられると、その分、保険金額が減少してしまいます。一般的には、保障性の高い定期保険・医療保険などは、保険金額の減少幅が小さく、保険期間が長期で貯蓄性の高い終身保険・養老保険・個人年金保険などでは減少幅が大きくなります。また、予定利率が高い時期に契約した保険ほど、保険金の減少幅が大きくなります。
予定利率の変更は、破綻の危険性がある保険会社が、破綻前に金融庁に申請する場合もありますので、注意して下さい。

●破綻時の注意点

通常、保険会社が破綻してしまった場合、保険契約の移転が完了するまで解約はできません。また、破綻後も保険料は支払い続けなければなりません。
契約の移転後は解約ができますが、一定期間内の解約の場合は早期解約控除が設定され、契約条件が変更された後の解約返戻金から、さらに削減されてしまうこともあります。

2.健全性の指標

一定の救済措置があるとはいえ、いったん経営破綻してしまったら、契約者は相当な損害を覚悟しなければなりません。できればそうなる前にリスクを回避したいものです。
そのためにも、保険会社の財務健全性をチェックする習慣を身につけておきましょう。
保険会社の財務健全性を判断する主な指標としては、ソルベンシー・マージン比率と保険財務力格付があります。

●ソルベンシー・マージン比率

ソルベンシー・マージン(支払余力)比率は、保険金の支払い能力を示す指標の1つで、行政監督上の基準にも採用されている代表的な指標です。具体的には、大規模災害や株の大暴落など通常の予測を超えて発生するリスクの額を分母にし、そのリスクによる損失を補てんできる財源を分子にして算出します。通常は200%以上が健全性の目安(目標値)とされ、それを下回ると、金融庁による早期是正措置が実施されます。
最近は各社のソルベンシー・マージン比率が改善し、1000%を超える保険会社も数多く出てきました。このため金融庁は、目標値の見直しを検討しています。

●保険財務力格付

格付は、専門的な知識をもった第三者機関が、その会社の支払い能力などを元に評価した財務力を、信用度の高い順にA、B、Cのアルファベットと+、−の記号で表したものです。保険会社の格付は、「保険財務力格付」「保険金支払能力格付」などと呼ばれ、保険契約に基づく債務を履行する能力について総合的に評価し、格付します。
実際に格付を行なう第三者機関は民間の格付会社で、例えば日本では、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード&プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングス、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)などがあり、それぞれ独自の基準で保険会社の財務力や支払能力を精査し、格付情報を提供しています。
保険財務力格付のメリットは、月ごとに評価が発表され、短期間の推移が把握できる点、第3者機関が判断するという客観性、そして何より信用度をランキングの形で示す、そのわかりやすさにあります。

保険会社では、一般向けに毎年の決算後に、ディスクロージャー誌などで業務内容や財務状況の情報を開示していますので、掲載されるソルベンシー・マージン比率に、この格付を加え、両方をチェックするのがよいでしょう。

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最新保険ランキング編集部

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