基礎知識

保険って、どこの保険会社でも同じじゃないですか?

LINEで送る
Pocket

donguri

はじめに

「護送船団方式」という言葉をご存知でしょうか?

戦後、旧大蔵省が保険会社を含む金融機関に対して主導してきた保護政策を、一番遅い船に合わせて船団を航行させる軍事戦略になぞらえた言葉です。文字通り、当時の保険業界は横一線の状態でした。

それが1996年の保険業法改正により、保険も自由化や規制緩和により、商品開発と価格競争の時代に突入しました。商品内容も保険料も同じだった保険は多様化・競争激化の一途をたどり、「どこの保険会社でも同じ」から「保険会社によって違う」ようになりました。

保険料の比較だけでは決められない

ところで、商品内容や保険料に違いが生まれた現在、商品の比較・検討は必然となるわけですが、書籍にしてもネットにしても、なかなか本質的に保険を比較したコンテンツを目にすることがない・・・そうお感じにはなりませんか?

保険会社の監督省庁である金融庁は、それまで定めていた保険商品の比較広告のガイドラインがあいまいだったため、ほとんど比較されていないと判断し、保険会社に対し、比較広告を促進するための監督指針改正を2007年に発表しました。

しかし、“一般消費者は商品比較が容易になり、自分に合った商品を選び易くなる”との目論見は未だ実現には至っていません。新しい指針がまた難解極まりないシロモノであったからです。結局のところ、業界全体が比較広告には及び腰のままなのです。

「保険 比較」といったワード検索で見つけることができる『保険の一括見積もりサイト』の類は商品比較の参考にはなりますが、保険料の安い順に商品が並んでいたとしても、その条件設定にはバラつきが多く注意が必要です。逆にいえば、保険の比較には条件設定が肝心。では、比較のポイントとなる保険の条件設定について、商品別にみていきましょう。

1.生命保険(死亡保険)の場合

まずは一生涯保障が続く【終身保険】と一定期間だけを保障する【定期保険】の二択で、死亡保険金をいつまで保障するかという「保険期間」が決まります。終身保険なら文字通り“終身”のみですが、定期保険には“10年”といった年満了タイプと“60歳”といった歳満了タイプがあり、一般に保険期間が長ければ長いほど、保険料は高くなります。

また【終身保険】の場合、「保険料払込期間」も条件設定の大きなポイントです。保障は一生涯でも、保険料は一定の年齢迄で払い切ってしまう「60歳払い済み」等の【短期払い】と、保障も保険料の支払いも一生涯続く【全期払い】があります。もちろん短期間で払うほど月々の保険料は高くなります。

その他に挙げるとすれば【低解約返戻金タイプ】や【引受基準緩和タイプ】といった条件でしょうか。前者は保険料払込期間中の解約に一定のペナルティーがある分保険料が割安、後者は既往症がある方でも保険加入できる代わりに保険料が割高となります。

2.医療保険(入院保険)の場合

医療保険も前出の生命保険同様、【終身タイプ】と【定期タイプ】にまず二分され、保険期間が長いものほど保険料は高額です。【終身タイプ】には一定の年齢で保険料を払い切ってしまう「60歳払い済み」等の【短期払い】、保障も保険料の支払いも一生涯続く【全期払い】といった「保険料払込期間」があり、短期間で払うほど月々の保険料は高くなります。

医療保険には、その他にもいくつかの条件設定のポイントがあるので少々複雑です。筆頭は「1入院あたりの支払日数」。1回の入院につき連続何日間まで給付金が受け取れるか、その日数が長いほど当然保険料は上がります。短いもので60日、長いものは1000日を超える商品まで幅広く出揃った感があります。予算等との見合いで決めることになります。

その他にも、通院や入院、ガンや高度先進医療等の特約が豊富なのも医療保険の特徴です。あれもこれも揃えると当然保険料が上がっていくので、ある程度は見切りをつけながら、必要最低限に絞り込んでいくことが肝心です。

3.ガン保険の場合

ガン保険も前出の生命保険や医療保険と同様に、【終身タイプ】と【定期タイプ】の二択があり、【終身タイプ】には【短期払い】と【全期払い】があります。それ以外でガン保険の条件設定で大きな違いとなるのが【上皮内ガンへの給付】と【複数回給付の可否】でしょう。

上皮内ガンというのは大腸の粘膜や子宮頚部等にできるごく早期のガンですが、上皮内ガンの保障がその他のガンと同様に手厚いものと、大幅に簡略化されているものがあります。

複数回給付というのは、ガン診断時に受け取れるまとまった金額の診断給付金が、再発時にも複数回にわたって受け取れるかどうか、ということ。ガンという病気の特性上、繰り返し給付が受けられるほうがもちろん安心ですが、保険料は若干高めとなります。

4.学資保険の場合

学資保険ほど比較が難しい保険はないといってもいい位、その条件設定は様々。おおまかにいえば、商品特性を万一の保障に置いたものと、将来の学資積立に置いたものに二分されるのですが、加入目的からして異なる商品も「学資保険」と一口に呼ばれているのです。

つまり、「学資保険」を名乗っていてもその内容があなたのニーズに会っているかどうかは、パンフレット類をじっくり吟味する必要があり、積立目的であれば、単純な保険料比較ではなく、払い込んだ保険料に対する返戻率がポイントとなります。

割安なネット生保も条件によって優位度に違い

さて、商品別に保険比較の条件設定のポイントをみてきましたが、冒頭で触れたように、保険も自由化・規制緩和により多様化・競争激化の一途をたどっていて、同じ条件設定でも保険会社によって保険料に差が出ることが多々あります。

最近登場した「ネット系生保」では、インターネットで保険加入の手続きができることで保険会社側の事務コストを大幅に圧縮、割安な保険料を実現しています。また、ネット系生保同士で保険料の安さを比較すると、年齢や性別によってその軍配はまちまちとなっており、各社の戦略が見え隠れするところでもあります。

あるいは同じ保険会社の中でも、ノンスモーカー等の方向けに「健康体割引」といった特約を設けているところも増えていて、全く同じ保障内容にも関わらず、30~40%もの割り引きとなることもあるので、条件に該当する方ならば検討の価値は大いにあるといえます。

「護送船団」は第二次大戦で盛んに使われた言葉で、多数の輸送船を巡洋艦、駆逐艦などが囲んで敵襲を防ぐ隊形でした。何隻もの駆逐艦に守られた船団は敵潜水艦には比較的有効だったものの、空中戦が主流となった瞬間に有効性は失われたそうです。

まさにインターネットという空中戦術が普及し、一般消費者側も保険に関する情報をいくらでも収集できるようになった今、保険会社側のマーケットインによる商品開発と、その比較の簡便化がこれまで以上に望まれているのではないでしょうか。

LINEで送る
Pocket

著者 / Author

最新保険ランキング編集部

保険のギモン、すべてスッキリ。最新保険ランキングは、保険に関するコラム・最新ランキング・プロの紹介を網羅した保険の総合サイトです。株式会社ピーアンドエフが運営。